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葬 その1

短歌

いつかしぬ人が静かに梨を剥き
いつかしぬ人が新聞を読んでいる 朝

「死んでから三日は耳が聞こえる」なんて
誰も知らない優しさばかり

永遠にひらかぬ瞼をかすめゆく
涙そうそう」は彼に届くか

もう生きていない もう生きていない人の足
わたしが見たのはたったそれだけ

心臓の音を辿ってここまで来たの
生きるってたぶん そういうことだ