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つゆのあとさき

何年か前の五月くらい、保護司をしていたという人を送った。
本業はなんだったか記憶が曖昧だけれど、保護司だったということ、古い写真の中の服装がとてもお洒落で文化人然とした人だったことだけ覚えている。

そのあと、保護司について調べてみたら、ボランティアだと知った。あの人は、自分から厚生する人を受け入れるために勉強をし、何年にもわたって人と関わり続けていたのだ。わたしは犯罪をしたことがないし周りにそういう人もいなかった。保護司をしている人も知らない。何も知らない世界だけどきっとこの人は優しく正しい人だったのだろうと思った。わたしは人と関わるのがあまり得意ではないからきっとすることのできない仕事だけれど、その時から、憧れる仕事の一つになった。

出棺のあとの帰り道、風がトパーズ色に見えた。つゆはもうすこしあとだったけれど。

 

 

つゆのあとさき

つゆのあとさき