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末臭いにおいの中で

ただ 自虐に溺れる

ああ だから夏は嫌いなんだ

鈍色の剣を胸に突き刺して

それでどうかなるわけでもないのに

過去の傷をほじくって

傷が癒えるわけでも

ましては罪がなくなるわけでもないのに

愚かだと思いながらも

また夏がくる

あの日がくる

私は剣を胸に押し当てる

いつまで続くのか

自虐の上に成り立つ平和

それでもこの場所は心地いいから

変わろうとは思わなくて

涙すらでないのは

平和に呆けたわたしへの罰

ああ また夏がくる

色とりどりの鶴が揺れた


(090709)

死んだ女の子

死んだ女の子

君はメロディ

アイドルはあまり詳しくなくて、テレビやネットニュースで報道されることくらいしかしらないのだけど、たまたま君はメロディのPVをみて、感動してしまった。
まるでAKBでかがやいた女の子たちすべてに向けて書いた曲のようで、何度もなんども噛み締めた。君はメロディ、懐かしいハーモニー。わたしが学生の頃たくさんのヒットソングとあの女の子たちの顔、衣装、PVはリンクしていた。確かに彼女たちはメロディだった。
音楽は記憶を呼び起こす、死ぬときに最後まで残る器官は耳だという。耳から入って来た音の羅列は脳へ届いてなにかが起きる。どんな歌も人それぞれ好き嫌いはあるけど必ず誰かの思い出の歌なのだ。

きっとどこかで口ずさむだろう、思い出は時にはやさしい。

【MV full】 君はメロディー / AKB48[公式] - YouTube

 

 

43rd Single「君はメロディー Type A」通常盤

43rd Single「君はメロディー Type A」通常盤

 

 

 

葬 その1

いつかしぬ人が静かに梨を剥き
いつかしぬ人が新聞を読んでいる 朝

「死んでから三日は耳が聞こえる」なんて
誰も知らない優しさばかり

永遠にひらかぬ瞼をかすめゆく
涙そうそう」は彼に届くか

もう生きていない もう生きていない人の足
わたしが見たのはたったそれだけ

心臓の音を辿ってここまで来たの
生きるってたぶん そういうことだ

つゆのあとさき

何年か前の五月くらい、保護司をしていたという人を送った。
本業はなんだったか記憶が曖昧だけれど、保護司だったということ、古い写真の中の服装がとてもお洒落で文化人然とした人だったことだけ覚えている。

そのあと、保護司について調べてみたら、ボランティアだと知った。あの人は、自分から厚生する人を受け入れるために勉強をし、何年にもわたって人と関わり続けていたのだ。わたしは犯罪をしたことがないし周りにそういう人もいなかった。保護司をしている人も知らない。何も知らない世界だけどきっとこの人は優しく正しい人だったのだろうと思った。わたしは人と関わるのがあまり得意ではないからきっとすることのできない仕事だけれど、その時から、憧れる仕事の一つになった。

出棺のあとの帰り道、風がトパーズ色に見えた。つゆはもうすこしあとだったけれど。

 

 

つゆのあとさき

つゆのあとさき

 

 

 

 

水葬

うつしよと隔てるように石を入れた
さらばおとうと 波路遥かに

白波に花が散らばり消えてゆく
幾千の日々皆帰らざる

ごわごわの麻袋では痛かろうと
シルクのスカーフこっそり巻いた

いつか誰がか言っていた海の底の
都をきっと見に行ったんだね

死ぬことは罪だと思う
生きるのは罰だと思う朝靄の中

 

I believe ?海の底から?

I believe ?海の底から?

 

 

 

狂骨の夢

死んだ後ばけものを作る仲間にしてよ
わたしの骨を一本あげる

海べりの女の人のまぼろしを
見て見ぬふりして大人になるの

冷えきった手足ばかりが赤くなり
骨はいつまでも白白と光る

生きるのがイヤ 嫌 厭
海の底にもまだ土がある

汚れてる 体が汚れてる気がして
骨になる夢を幾度も見る

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京極夏彦狂骨の夢」久しぶりに読み返しました。

 

文庫版 狂骨の夢 (講談社文庫)

文庫版 狂骨の夢 (講談社文庫)

 

 

花の名

この前、同い年のひとのお別れに立ち会った。

後輩のような制服の人、先生、大学生のようなひと、今までのなかで一番ってくらいたくさん人がきていた。学生さんはみんな就活中なのか、初々しいスーツ姿に切り揃えたばかりのようなさっぱりとした髪で、かの人もこの中の一人になるはずだったのかと思うと、やるせない。お棺の蓋をあけるとワッと駆け寄る人、悲痛な声が聞こえた。
ふと、自分が今死んだら誰が来てくれるんだろうと思う。なんとなく結婚式と似ている。どの程度のラインの人までを呼んで、悼んでもらうべきなのだろう。正直、そう考えると両手に収まるくらいしか呼べない気がしてきた。まぁ、本当に死んだとして呼ぶのは私でないのだけれど。供花くらいはもらえるかもなあ。それに包まれて私は焼かれるんだ。花は菊と、よく見かけるしだれ藤のようなあの花がいい。名前は知らない。
それでも私は生きているから、私と同じだけの年数を生きるはずだったひとを見送った。

あなたも変哲のない花かもしれない、私もただの花。ただの花が摘み取られるとき、飾られるとき、枯れ捨てられるとき、誰かが喜ぶ?悼む?それをするのが当たり前の人間ってやさしいね。たくさんある花の中からひとつの花の人生をこんなに大切にクローズアップするなんて。

そこからひとつを 選んだ僕だけに唄える唄がある
あなただけに聞こえる歌がある
(花の名/BUMP OF CHIKEN)

 

花の名

花の名